クローズアップ現代 NHK 野菜工場:"最新のテクノロジーを駆使し、野菜を育てる「野菜工場」。今、工場遊休地の活用や雇用拡大、さらにフードロス対策など、地域が抱えている課題解決の切り札として注目を集め、メーカーや商社など異業種からの参入が相次いでいる。さらに、今、野菜工場を新たな輸出産業にしようという動きも始まっている。ビジネスモデルの可能性を探る。"
「野菜工場」とは農家が農地を独占しているおかげで農産物価格が途方もなく高くなってしまった日本では有効なビジネスモデルだと思うが、しかし、これを世界に輸出できるのであろうか。クニヤはニッポンの「ブランド・ブランド」と強調していたが、果たしてどうだろう?
「ブランド力」とは、平たく言えば「記号的”味の素”を加えることで実質価値の十倍高く売れる能力」と言うこと。ルイ・ヴィトンはこれで塩化ビニールのカバンを数万円〜数十万円の値段でニッポンの女どもに売り付けて大儲けした。ニューヨークのティファニーも同じ。いずれもパリとかニューヨークとかの都市が文句なくすごいことがブランド形成の背景にあった。ケンゾーもフジタもパリで働いたからこそ世界的ブランドになることに成功したのである。ひるがえって日本はどうか。いまや世界からバカにされている。
これが参考になると思う(「観光」を「ブランド」と読み替えれば意味が通る):
Letter from Yochomachi: 9/27 Today 世界観光の日……日本一の「観光地」はどこ?: "「観光」の語は、『易経』に始めて見える。「国の光を観る。用て王に賓たるに利あり」とあるのがそれである。「国の光を観る」とは、国の盛んな繁栄の様を観察するということ。そうした輝かしさにあこがれて、多くの人々が国王の賓客になろうとする。"
日本では都市からイナカにおカネを移転させるという日本政府の政策が数十年にわたって継続されてきたおかげで、日本を代表するべき東京は世界でも甚だみすぼらしい都市に成り果ててしまった。中国・韓国の都市に較べても非常に見劣るイナカ都市景観と実質である。これでは日本企業は「ブランド」とやらで儲けることはとうてい出来ない。「野菜工場」の世界のブランド化も、しょせんクニヤの見果てぬ夢に終わる。ニッポンの歪んだ現実を正すことから始めなくてはならない。
日本の輸出産業は、戦後「安くてよいものを大量に供給する」という地道な仕事を積み重ねることで、はじめて世界の信頼を得ることに成功したのである。ニッポンの農水業も、輸出産業を目指すというのであれば、安易に「ブランド」とやらで誤魔化して儲けることを考えるのではなく、ビジネスの原点を忘れてはいけない。
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